Vectorworks Navi ネットワーク版サーバー構文 使い方ガイド
Vectorworks ネットワーク版には、ライセンスの管理を行うためのサーバー構文機能が搭載されています。
サーバー構文を設定することで、ライセンス持ち出し機能の制限や、使用者のライセンス制御などを行うことができます。
本項では、サーバー構文を用いたネットワーク版の様々な管理方法を紹介しています。
ぜひ、便利な使い方の概要やサンプルなどを学び、ご活用ください。
このページは Vectorworks 2024 を想定して作成しています。
また、文中の機能についてご不明の場合は、あわせてリファレンスガイドをご参照ください。
Vectorworksシリーズ
サーバー構文の基礎
Vectorworks ネットワーク版のライセンスサーバーを制御するためのプログラムのコマンドが、サーバー構文です。
サーバー構文とは、簡単に言えばライセンスを管理するためのコマンドです。
少し難しそうに感じるかもしれませんが、やりたいことを箇条書きのように記述することで使用できるため、一般的なプログラム言語などと比べると簡単です。
ぜひこのページをご覧いただき、ネットワーク版の運用の際にご活用ください。
サーバー構文でできることは、大きく分けて四種類あります。
- 持ち出し日数や使用可能人員を制御する。
- 使用者をグループ分けして制御する。
- Vectorworksのライセンス(Architectモジュールなど)の使用を制御する。
- トラブルが起きた際のデバックログや使用ライセンス数がどの時間に何ライセンス使用されているかなどのレポートを作成する。
この四種類を設定することが可能です。
例えば、よくお問い合わせをいただく事例として、「ライセンスの持ち出し機能を使用不可で運用したい」というリクエストがありますが、サーバー構文を適切に設定することでライセンス持ち出しの可否や、持ち出し可能な日数、使用できるアカウントの種類などを制御可能です。(設定方法は後述の「ライセンス持ち出しに関するコマンド」の項をご参照ください。)
サーバー構文はVectrorworks ネットワーク版 ライセンス管理ソフトウエアから行うことができます。
ライセンス管理ソフトウエアのアクセス方法はこちらをご覧ください。
ライセンス管理ソフトウエアにアクセスしたら、管理画面でStatusをクリックし、サーバーステータスペインを表示します。
ISV Serversで、OPTIONS列のvektorwrxをクリックすると、Edit ISV Options画面が表示されます。
この画面の中に構文を記述して様々な制御を行います。
実際に使用する構文の説明やサンプルなどは次項以降にて解説していきます。
サーバー構文を記述する際は、いくつかのルールがあります。
まず構文の書き方です。
例: HOST_GROUP EIGYO_BU EIGYO01 EIGYO02 EIGYO03
詳しくは次項以降で解説しますが、この例では営業部のPC名EIGYO01、EIGYO02、EIGYO03を、EIGYO_BUというグループにする構文です。
この構文では、「コマンド(今回の場合HOST_GROUP)」「グループの名称」「そのグループに入れるPC名」の順番で記述します。
他の種類の構文でも同様の順番で、コマンド、機能(グループの場合はグループ名)、その対象、となるように記述する必要があります。
また、この構文内の区切りは「,」や「、」ではなく「半角スペース」で区切る必要があります。
今回は例として大文字のPC名を記載していますが、PC名が小文字の場合小文字の入力で問題ありません。
その他、サーバー構文は1行で最大1024文字までとなっています。大規模の利用の場合、グループの作成時など注意が必要です。
サーバー構文を利用して様々な制御を行うことは可能ですが、残念ながら使用バージョンを制御することはできません。
Vectorworksのバージョンが複数混在している場合、お手数になりますが社内ルールとして「○○さんは2023を使用」「△△さんは2024を使用」などを規定して運用していただくか、もしくはクライアントPCにインストールするVectorworksのバージョンを制限する、といった運用方法をご検討ください。
ライセンス持ち出しに関するコマンド
サーバー構文によって持ち出しを制御する方法があります。
持ち出し機能の可否を制御する構文は、「INCLUDEALL_ROAM」「EXCLUDEALL_ROAM」の二種類があります。
また、持ち出し可能な日数を制限する「ROAM_MAX_DAYS」があります。
それぞれ次項にて詳しく説明しますが、この三種類を組み合わせることで、持ち出し可能な人員と、持ち出し可能日数をコントロールすることができます。
「INCLUDEALL_ROAM」「EXCLUDEALL_ROAM」、それぞれの違いを説明します。
- INCLUDEALL_ROAM: 指定した人(もしくはグループ)だけが持ち出し機能を使用できるようにする。
- EXCLUDEALL_ROAM: 指定した人(もしくはグループ)だけは持ち出し機能を使用できないようにする。
例えば、出張先で Vectorworks を使用する部署だけが持ち出し機能を使用可能にしたい場合、INCLUDEALL_ROAMで制御するとよいでしょう。
EXCLUDEALL_ROAMは、特定人物や部署の持ち出しをできないように制御したい場合に設定するとよいでしょう。
このように組織の規模や利用環境により最適な構文は変わります。
例: INCLUDEALL_ROAM USER sato
→持ち出し機能を佐藤さんのみ許可します。
例: EXCLUDEALL_ROAM USER sato
→持ち出し機能を佐藤さんだけ使えないようにします。
持ち出し日数を管理するには「ROAM_MAX_DAYS」を使用します。これは持ち出しの最大日数を設定する構文です。
製品仕様として、持ち出しの最大可能日数は30日となっています。
例えば、持ち出しできる日数を3日にしたい場合にこの構文を使用します。
なお、この設定はサーバー内で複数設定することはできません。
例えば営業部だけ持ち出し日数を7日、他部署は3日にする、といった設定はできませんのでご注意ください。
- ROAM_MAX_DAYS 7 Fundamentals
- ROAM_MAX_DAYS 7 Renderworks
上記の例ではVectorworks Fundamentalの持ち出し可能日数を7日間にする設定になります。
構文内の「7」の箇所を30までの任意の数字に変更することで持ち出し可能日数を変更することが可能です。
ライセンス管理の観点から、持ち出しをさせずに社内のみで運用したい、といった場合は、以下の構文を使用するとよいでしょう。
# 全てのVectorworksを持ち出し不可に設定
ROAM_MAX_DAYS -1 Fundamentals
この構文は、Vectorworksの基本となるFundamentalsの持ち出しを禁止します。
そのため、上記構文を設定することでライセンスの持ち出し機能自体が使えなくなります。
利用者グループに関するコマンド
「GROUP」系統の構文を使用することで、部署単位(グループ)等で使用できるライセンス数を設定することができます。
グループの分け方については次項で詳しく解説しますが、三種類の方法でグループ分けをすることができます。
使用する部署ごとにグループを設定することで、後述のライセンスの管理であったり、前述の持ち出し制限をグループ単位で行うことができます。
例えば、
- 営業部をグループAとして設定し、グループAは持ち出し可能。
- 設計部をグループBとして設定し、グループBは持ち出し不可。
のような設定ができるようになります。詳しくは次項を参照ください。
グループの設定は大きく分けて3つの設定方法があります。
- ユーザー名(アカウント名)でグループを定義する「GROUP」
- ホスト名(PC名)でグループを定義する「HOST_GROUP」
- IPアドレスでグループを定義する「INTERNET_GROUP」
の三種類です。
どの構文を使うかはご利用環境に合わせて検討することをお勧めしますが、IPアドレスで指定するINTERNET_GROUPは注意が必要です。
IPアドレスが変動する環境(動的IPアドレス/DHCP)では、せっかく設定してもIPアドレスが変わってしまい使えなくなるなどの事態が想定されます。
利用環境のIPが固定されているか判断がつかない場合、GROUPもしくはHOST_GROUPのご利用をご検討ください。
グループを管理する三種類の構文の使い方は、「GROUP」or「HOST_GROUP」or「INTERNET_GROUP」の後に、そのグループの名称、そしてそのグループに属する人員のユーザー名やホスト名、IPアドレスを入力します。
- GROUP EIGYO_BU yoshida shimizu sasaki
- HOST_GROUP EIGYO_BU EIGYO01 EIGYO02 EIGYO03
- INTERNET_GROUP EIGYO_BU xxx.xxx.xxx.xx yyy.yyy.yyy.yy zzz.zzz.zzz.zz
上記の例では、営業部の3名をグループとして登録する方法です。
よくあるトラブルとして、PCの入替や人員の部署異動などの際にグループ設定を更新し忘れてしまうというケースがあります。
例えば、
- 新しいPCを購入したが持ち出し機能が使えない。
→新しいPCのユーザー名やホスト名をグループ構文内に加えていない。 - 人事異動で部署から人が減ったのでライセンスが余るはずなのに、どこかで使われている。
→異動の際にグループ設定から異動した人を外しておらず、異動先で使用していた。
といったお問合せが実際にありました。
こういったトラブルに繋がらないようにするためにも、PC購入や人事異動などの際にはグループの設定を見直す必要があります。
また、その他のトラブルとして、ユーザー名(アカウント名)やPC名が2バイト文字の場合、「GROUP」や「HOST_GROUP」構文では正しく制御することができません。
例: PC名が「佐藤太郎(所有者の名前)のPC」などになっている
事前に利用予定のPCのユーザー名やアカウント名が1バイト文字になっているかをご確認ください。
INTERNET_GROUPを使用している場合、ワイルドカード(*)を使用することでIPアドレスの差分を省略することができます。
例: INTERNET_GROUP EIGYO 192.168.1.*
INTERNET_GROUP以外のグループ(GROUPおよびHOST_GROUP)ではワイルドカードは使用できません。ご注意ください。
1行で1024文字を超えるグループを作成したい場合、同一グループを2行にして記述することで作成が可能です。
HOST_GROUP SHITEN_PC PC001 PC002 PC003 PC004 ・・・ ・・・
HOST_GROUP SHITEN_PC PC101 PC102 PC103 PC104 ・・・ ・・・
上記の例のようにすることで、1024文字を超えるグループを作成することが可能です。
モジュール(ライセンス種別)に関するコマンド
前述のグループを利用して部署ごとにグループを作成し、そのグループごとに使えるライセンスを制御する方法があります。
ライセンスを制御するモジュール制御系のコマンドは「INCLUDE」「EXCLUDE」の二種類があります。
それぞれ以下のような特徴があります。
- INCLUDE: 対象のユーザーやグループに対して使用を許可するコマンド
- EXCLUDE: 対象のユーザーやグループに対して使用を制限するコマンド
INCLUDEは、使用者の中で特定の人物やグループのみArchitectモジュールを使用したい、といった場合に有効です。
例: 営業部と設計部があり、Architectは営業部のみで利用したい。
それに対して、EXCLUDEは特定の人物やグループのみArchitectモジュールを使用させたくない、といった場合に有効です。
例: Fundamentalsを5ライセンス、Architectモジュールを3ライセンス所持しているが、新入社員にはArchitectの機能は必要ないため、使用させたくない。
どちらの構文でも似たことができますが、どちらを使用するべきかは、使用を許可したい人員が少ない場合はINCLUDE、制限したい人員の方が少ない場合にはEXCLUDEを使用するとよいでしょう。
- INCLUDE architect USER sato
この例は佐藤さんのみArchitectモジュールの使用を許可します。個人だけでなくグループを指定する事もできます。 - EXCLUDE architect USER sato
この例は佐藤さんのみArchitectモジュールの使用を制限します。こちらも個人だけでなくグループで設定する事もできます。
ライセンスを予約する「RESERVE」という構文を利用することで可能です。
今回の場合は、所持している1ライセンスを予約することで、他9名が利用できるライセンス数は4ライセンスとなります。
常時使用する人が決まっている場合はこの機能で予約設定することをお勧めします。
- RESERVE 1 architect USER sato
この例は佐藤さんにArchitectを1ライセンス予約します。
なお、Vectorworks 2020以前のバージョンでは所持している全てのライセンスをRESERVEすると正常に動作しない不具合が確認されています。
そのため、対象の旧バージョンをご使用の場合は後述のMAX構文をご使用ください。
「MAX」という構文を利用することで可能です。
MAX構文は使用できるライセンスの最大数を制御できます。
例として、以下のような条件で設定できます。
- 営業部は4名、設計部は4名の人員がいる。
- Vectorworks Fundamentalsを6ライセンス。Architectモジュールを3本所持している。
- 営業部ではFundamentalsを3本まで、Architectを1本まで動かせるようにしたい。
- 設計部ではFundamentalsを3本まで、Architectを2本まで動かせるようにしたい。
上記条件をサーバー構文で制御する場合は以下のような記述になります。
HOST_GROUP EIGYO_BU EIGYO01 EIGYO02 EIGYO03 EIGYO04
HOST_GROUP SEKKEI_BU SEKKEI01 SEKKEI02 SEKKEI03 SEKKEI04
MAX 3 fundamentals HOST_GROUP EIGYO_BU
MAX 1 architect HOST_GROUP EIGYO_BU
MAX 3 fundamentals HOST_GROUP SEKKEI_BU
MAX 2 architect HOST_GROUP SEKKEI_BU
サーバー構文の参考サンプル
# 全てのVectorworksを持ち出し不可に設定
ROAM_MAX_DAYS -1 Fundamentals
# [グループ定義]
# -営業部
GROUP EIGYO_BU sato aoki sasaki
# -設計部
GROUP SEKKEI_BU tanaka suzuki yoshida ando
# -広報部
GROUP KOHO_BU oda fujita miura
# [使用可否の設定]
# -営業部にfundamentals以外のモジュールの制限
EXCLUDE designer GROUP EIGYO_BU
EXCLUDE architect GROUP EIGYO_BU
# -広報部にdesignerモジュールの制限
EXCLUDE designer GROUP KOHO_BU
# -設計部、広報部にarchitectモジュールの使用許可
INCLUDE architect GROUP SEKKEI_BU
INCLUDE architect GROUP KOHO_BU
# ユーザtanakaの持ち出しを許可
INCLUDEALL_ROAM USER tanaka
# 営業部グループの持ち出しを許可
INCLUDEALL_ROAM GROUP EIGYO_BU
# ユーザtanakaの持ち出しを不可
EXCLUDEALL_ROAM tanaka
# グループ定義
GROUP EIGYO_BU sato aoki sasaki
GROUP SEKKEI_BU tanaka suzuki ito yoshida
GROUP KANRISYA sato tanaka
# 営業部グループの持ち出しを不可
EXCLUDEALL_ROAM GROUP EIGYO_BU
# architectの持ち出し日数の上限を10日に設定
ROAM_MAX_DAYS 10 architect
# designerを持ち出し不可に設定
ROAM_MAX_DAYS -1 designer
# 全てのVectorworksを持ち出し不可に設定
ROAM_MAX_DAYS -1 Fundamentals
# 営業部のメンバーをグループ化
GROUP EIGYO_BU sato aoki sasaki
# 設計部のメンバーをグループ化
GROUP SEKKEI_BU tanaka suzuki ito yoshida
# 管理者をグループ化
GROUP KANRISYA sato tanaka
# Aチームで使用しているPCをグループ化
HOST_GROUP TEAM_A_PC PCA001 PCA002 PCA003 PCA004
# Bチームで使用しているPCをグループ化
HOST_GROUP TEAM_B_PC PCB001 PC002 PCB003
# 本社で使用しているPCのIPアドレスをグループ化
INTERNET_GROUP HONSYA 192.168.255.*
# 営業所で使用しているPCのIPアドレスをグループ化
INTERNET_GROUP EIGYOSYO 192.168.1.*
# 支店で使用しているPCのIPアドレスをグループ化
INTERNET_GROUP SHITEN 192.168.2.1 192.168.2.2 192.168.2.3 192.168.2.4
# グループ定義
GROUP EIGYO_BU sato aoki sasaki
GROUP SEKKEI_BU tanaka suzuki ito yoshida
GROUP KANRISYA sato tanaka
# 設計部グループにarchitectモジュールの使用を許可
INCLUDE architect GROUP SEKKEI_BU
# 管理者グループにdesignerモジュールの使用を許可
INCLUDE designer GROUP KANRISYA
# グループ定義
INTERNET_GROUP HONSYA 192.168.255.*
INTERNET_GROUP EIGYOSYO_1 192.168.1.*
INTERNET_GROUP SHITEN_1 192.168.2.1 192.168.2.2 192.168.2.3 192.168.2.4
# 営業所1グループ、支店1グループのarchitectモジュールの使用を不可
EXCLUDE architect INTERNET_GROUP EIGYOSYO_1
EXCLUDE architect INTERNET_GROUP SHITEN_1
# グループ定義
GROUP EIGYO_BU sato aoki sasaki
GROUP SEKKEI_BU tanaka suzuki ito yoshida
GROUP KANRISYA sato tanaka
# 管理者グループでdesignerを2ライセンス分予約
RESERVE 2 designer GROUP KANRISYA
# ユーザsuzukiがdesignerを1ライセンス分予約
RESERVE 1 designer USER suzuki
# グループ定義
HOST_GROUP TEAM_A_PC PCA001 PCA002 PCA003 PCA004
HOST_GROUP TEAM_B_PC PCB001 PCB002 PCB003 PCB004
# Bチームグループのarchitectの使用本数は最大3本
MAX 3 architect HOST_GROUP TEAM_B_PC
条件:
- Vectorworks 10ライセンス、Architectモジュール5ライセンス所持。
- 営業部 設計部 の2グループ グループはHOST_GROUPを使用し、PC名で管理。
- 営業部はFundamentals5本まで、Architectは2本まで使用許可。
- 設計部はFundamentals5本まで、Architectは3本まで使用許可。
- Architectは予約2本、予約するのはSEKKEI02 SEKKEI03。
- 営業部のみ持ち出しは許可、期間は7日間。Architectも持ち出し可能。
構文:
HOST_GROUP EIGYO_BU EIGYO01 EIGYO02 EIGYO03 EIGYO04 EIGYO05 EIGYO06 EIGYO07 EIGYO08 EIGYO09
HOST_GROUP SEKKEI_BU SEKKEI01 SEKKEI02 SEKKEI03 SEKKEI04 SEKKEI05 SEKKEI06 SEKKEI07 SEKKEI08
MAX 5 fundamentals HOST_GROUP EIGYO_BU
MAX 2 architect HOST_GROUP EIGYO_BU
MAX 5 fundamentals HOST_GROUP SEKKEI_BU
MAX 3 architect HOST_GROUP SEKKEI_BU
RESERVE 2 architect USER SEKKEI02 SEKKEI03
INCLUDEALL_ROAM HOST_GROUP EIGYO_BU
ROAM_MAX_DAYS 7 architect
ROAM_MAX_DAYS 7 fundamentals
ログ出力に関するコマンド
「デバッグログ」で、過去にライセンスが使用された履歴を確認することが可能です。
デバッグログは、ライセンスの使用履歴以外にも、サーバーが起動した時間などの情報も自動的に記録されます。
デバックログの設定は以下の通りです。
【構文】DEBUGLOG [+][ファイルパス]/[ファイル名]
【解説】
DEBUGLOG: DEBUGLOGコマンド
[+]: プラス(+)をつけることでログファイルを追記設定に変更できます。
ファイルパス: ログファイルの出力先フォルダ(パス)を指定します。
ファイル名: ログファイルを指定します。
上記を元にWindows環境のデバッグログのコマンドを二つご紹介します。
- デバックログをVectorworks Site Protectionフォルダのdebuglogファイルに上書き出力する場合
DEBUGLOG "C:\ProgramData\Vectorworks Site Protection\debuglog.txt” - デバックログをVectorworks Site Protectionフォルダのdebuglogファイルに追記出力する場合
DEBUGLOG "+C:\ProgramData\Vectorworks Site Protection\debuglog.txt”
なお、Vectorworks 2018 以降のサーバー管理ソフトウエアでは、デバックログ機能は構文入力しなくてもあらかじめ設定されています。
詳しくはリファレンスガイドをご覧ください。
「レポートログ」(サーバの統計情報を保存するログ)を「Log File Converter」ソフトウエアにて処理することで、1日の最大使用状況を確認することができます。
使用状況は1時間毎に生成されます。
レポートログの設定は以下の通りです。
【構文】REPORTLOG [+][ファイルパス]/[ファイル名]
【解説】
REPORTLOG: REPORTLOGコマンド
[+]: プラス(+)をつけることでログファイルを追記設定に変更できます。
ファイルパス: ログファイルの出力先フォルダ(パス)を指定します。
ファイル名: ログファイルを指定します。
ログの種類: detailed / std / small でログ出力の細かさを設定できます。指定しない場合はstdで出力されます。
Log File Converterを使用する場合はdetailedかstdを選択して下さい。
上記を元にWindows環境のレポートログのコマンドを二つご紹介します。
- レポートログをVectorworks Site Protectionフォルダのreportlogファイルにdetailed(詳細)で上書き出力する場合
REPORTLOG "C:\ProgramData\Vectorworks Site Protection\reportlog.txt detailed” - レポートログをVectorworks Site Protectionフォルダのreportlogファイルにdetailed(詳細)で追記出力する場合
REPORTLOG "+C:\ProgramData\Vectorworks Site Protection\reportlog.txt detailed”
また、 Log File Converterの使用方法等はリファレンスガイドをご参照ください。
なお本項ではご案内しておりませんが、Rotateと呼ばれる構文を利用することでレポートログを1日/1周間/1月/指定日毎で自動的に保存し、新しくログを作成することも可能です。こちらについても詳しくはリファレンスガイドをご参照ください。
申し訳ございませんが、専用の機能のご用意はございません。
レポートログから生成したExcelデータにて最大本数が起動している時間帯を確認後、デバッグログにて該当の時間帯を調べることで、使用できなかったユーザーの状況を確認することは可能です。