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[TIPS/2007年6月時点]

屋根を寸勾配で入力する(VectorWorks)

「建築」メニューの「壁から屋根を作成...」コマンドや「多角形から屋根を作成...」コマンドを使って屋根を形成するときは、「建築」メニューの「屋根」コマンドとは違い、「勾配」の入力方法を選択する項目はありません。
屋根勾配の項目のデフォルトは「30°」と表示されていますが、角度数値以外の入力も可能です。”高さ”と”奥行き”の比率を「1:3」などで入力することができます。

日本家屋などで、「寸勾配」の単位で表示されている屋根が例えば「5寸勾配」の場合は、”高さ”が5寸、”奥行き”が1尺になりますので、勾配の覧に半角英数で「5:10」と入力することで作図することができます。


ショートカットの活用(VectorWorks)

3Dモデリングをしていると視点の移動が頻繁に発生します。
VectorWorksでは、キーボードのテンキーに視点の移動のショートカットが組み込まれています。
便利な機能ですが、知らずに意外と利用されていないケースが多いようです。
コマンドキーやコントロールキーを押す事なくテンキーを押すと視点が切り替わります。
データパレット入力中に押してしまうと数値データとして認識されてしまうので注意が必要ですが便利な機能なのでご活用ください。


縮小出力について-Win(VectorWorks)

VectorWorksは出力についてプリンターやプロッターのドライバに依存しており、ソフトに特別ドライバの機能は組み込まれていません。
Windows環境で出力する場合にご利用のドライバにより、ドライバの機能上縮小出力ができない場合があります。
ドライバで縮小印刷が不可能な場合、CAD上で図形サイズを変更して出力します。 図形を縮小する方法は「伸縮」コマンドやレイヤの縮尺を変更する事で可能です。
また、出力用のレイヤを作成し、レイヤリンクにより出力したいレイヤをリンクさせるとリンクレイヤの縮率を変更するだけでオリジナルデータを変更する事なく出力できます。(但し、寸法のマーカー等縮尺に関係ないものがデータとして含まれる場合、注意が必要です。)

例:A1用紙で、縮尺1/50のデータをA3用紙に出力する場合は、リンクレイヤの縮尺を1/100に設定すると、ほぼ見当たったサイズになります。ただし、使用するプリンタドライバの余白の設定により、印刷可能な範囲に図形が収まらない場合がありますので、確認しながら縮尺を調整してください


曲線出力について-Mac(VectorWorks、MiniCAD)

VectorWorksやMiniCADで円弧や曲線、一定ピッチのハッチングや壁を作図、出力すると円弧が滑らかに出力されなかったりハッチングの線が抜け落ちたりする事があります。
用紙設定を選択すると、ドライバのダイアログが表示されますが、ダイアログに「高分解能印刷」の項目があります。高分解能印刷にチェックを入れ解像度を「最適解像度」に設定し出力するときれいに出力できます。


ファイル互換について(VectorWorks、MiniCAD)

VectorWorks(MiniCAD)で作成したファイルは、クロスプラットフォームで利用可能です。
同じVectorWorks(MiniCAD)どうしであれば、Windows版で作成したファイルをMacintosh版へ(または、逆も)持っていけます。
注意が必要なのはMacintoshからWindowsへファイルを持っていく際、拡張子が必要な点です。Macintoshはファイルの種類をクリエーター情報等で判断する為、通常、ファイル名に拡張子にあたるものはつきません。
VectorWorks(MiniCAD)のファイルとしてWindowsで認識する為に、Macintosh版でファイルを作成した場合ファイル名末尾に『.mcd』をつけます。具体的には「TEST」というファイルは「TEST.mcd」と名前をつけて保存します。 種類の違うCADでデータをやり取りするにはDXFフォーマットが一般的に使われます。DXFファイルのやり取りでご注意頂く事はリリース(DXFのバージョン)と、違うOS間でデータをやり取りする場合はOSの違いにより発生する改行コードの違いです。
DXFファイルの多くはテキスト(文字列)となっています。Windowsで作成した物は一般的にはMacintoshでそのまま読み込めますが、Macintoshで作成されたDXFファイルはWindows側で読めない場合があります。この場合、Macintosh、Windowsのどちらかで改行コードを変換する必要があります。

改行コードを変換するには、別途、変換機能を持ったソフトを入手する必要があります。これらのソフトはinternetや雑誌等から入手できます。ワープロソフト等の機能にこの機能が含まれている場合もあります。
尚、DWGファイルはテキスト形式ではない為この問題は発生しません。

最後にデータをやり取りする手段について、フロッピーディスクでやり取りする場合にOSの違いが問題となります。
MacintoshからWindowsにデータをフロッピーで持っていく場合、フロッピーのフォーマットがDOS用になっている事を確認して下さい。
既にMacintosh用のフォーマットをされている物をお持ちの場合、初期化をDOS用でしなおすとご利用頂けます。


テクスチャの取り込み(RenderWorks)

RenderWorksのマニュアルに詳しく記載されていないテクスチャの取込み方についてご案内致します。
VectorWorksにおいて、テクスチャはシンボルやハッチングと同じリソースとして扱われます。取込みもリソースパレットから取り込みます。
RenderWorksをインストールしますとサンプルテクスチャもインストールされます。操作中のファイルがアクティブな状態でリソースパレットから「Textures」フォルダのVectorWorksファイルのリソースを表示させて取り込み、ご利用ください。


画像の取出し(RenderWorks)

RenderWorksには「ビットマップツール」がありますが、このツールは部分レンダリングのみならず意外な使い道があります。
レンダリング作業は時間がかかる場合が多く視点を切り替えると再レンダリングします。また、画像として取出す場合、メモリ等の環境や設定によっては取出しに時間がかかったり、エラーになったりしてしまう事もあります。
うまく画像が取りだせない場合、ビットマップツールで画像を作成し、新規ファイルにコピーペーストしてから取出す事で作業がスムースに行えます。
この方法は画面全体をレンダリングするのとは違い、レンダリング結果が別途作成される為、モデルはワイヤーフレーム状態で作業でき、結果として作業効率があがると思われます。