Renderworks 2011にて、レンダリングエンジンが従来のLightWorksエンジンから、CINEMA 4Dエンジンに変更され、Renderworksレンダリングが大きく変化、改善されました。
CINEMA 4Dレンダリングエンジンに変更されたことにより、レンダリング速度の向上、高品質のレンダリング、取り出しオプションの追加、簡潔なインターフェイスなど、多くの利点があります。
しかしながら、v2010以前の旧レンダリングエンジンとは大幅に仕様が異なるため、同様のデータをv2010以前のバージョンでレンダリングした場合と、v2011以降でレンダリングした場合とでは、表現上に大きな違いが出ることがあります。
v2010以前の旧バージョンから、最新版へバージョンアップをご検討される「with Renderworks」シリーズユーザ様は、事前にVectorworks Designer with Renderworksデモ版を利用して、十分に動作確認をされることをお勧め致します。
なお、以前のバージョンで作成したファイルを開く時などは、特に以下の点にご注意ください。
●旧バージョンのデータをv2011以上でレンダリングする場合
旧バージョンデータをv2011以降の形式に変換したファイルでは、レンダリングの見た目や品質は、可能な限り同じになるように変換されています。
ただしレンダリングの質感を完全に一致させることはできないため、異なった表現となる場合や、改めてレンダリング設定の再調整が必要になる場合があります。
●テクスチャの質感設定について
次の質感設定は、仕様変更により旧バージョンの表現とは一致しません。
波形スレート / スパニッシュ瓦 / ローマン瓦の各屋根材
●RW-アートレンダリングのスタイルについて
次の「RW-アート設定」のスタイルは、仕様変更により利用できなくなりました。
コンタ / タイル / 点描 / 水筆 / モノクロ二階調、またその他のアートスタイルについても、旧バージョンと同一のレンダリング結果にはなりません。
●面光源/線光源について
面光源では、面の法線方向だけでなく、両面方向に光を放射するようになりました。
そのため、以前のバージョンと類似のレンダリング効果を得るためには、面光源の背後に何らかのマスク用の図形が必要になる場合があります。
また、以前のバージョンで配置された面光源/線光源は、v2011以降では暗めに表現される傾向があります。
このような場合は、各光源の明るさ値を再調整（状況によりますが数倍程度）する必要があります。
●明るさ設定について
旧バージョンでの光源、およびイメージの明るさ設定は、背景放射光オプション（「ビューメニュー」-「光源を設定」-「背景放射光の設定」）の『放射光の明るさ』で調整できるようになりました。
RW-カスタムレンダリングでレンダリングする場合は、RW-カスタム設定（「ビューメニュー」-「レンダリング」-「RW-カスタム設定」）の『露出』を使用して、明るさを調整することも可能です。
●レンダリングの画面描画順について
レンダリング中の画面描画順が変更されています。
旧バージョンのRenderworksレンダリングでは、作図ウィンドウ上部から順にレンダリング描画(ラインレンダリング)されていましたが、v2011以降ではウィンドウ中央からブロック状に描画領域を分割してレンダリング(バケットレンダリング)を行います。これは、レンダリング処理速度の向上に寄与しています。
●推奨動作環境について
CINEMA 4Dレンダリングエンジンは、64bit環境に最適化されています。（Vectorworks本体は32bit動作となります）
また、レンダリング作業にメモリを多く消費します。
このため、Vectorworks2011以降でRenderworksレンダリングを行う場合は、動作環境として64bitOS、8GB以上の搭載メモリを推奨します。
|
