2014年度
OASIS加盟校を対象とした研究・調査支援奨学金制度について2014年度は、「思い切って「新」常識人になろう」を表題に、OASIS(オアシス)加盟校の学生・教員の皆様の研究・調査活動をバックアップいたします。
授与者は、今夏開催を準備中の「Vectorworks教育シンポジウム 2015」会場内で発表を予定しています。
2014年度 OASIS加盟校「研究・調査支援奨学金」授与者
厳正なる審査の結果、2014年度OASIS加盟校「研究・調査支援奨学金」授与者は、下記3つのテーマに決定いたしました。
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代表・山田 崇史 さん 他 全3名
- 慶應義塾大学大学院 理工学研究科 開放環境科学専攻 岸本達也研究室 後期博士課程 2年
- テーマ:「避難施設を核とした災害に強い街づくりの研究」
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佐々木 沙和 さん
- 東北学院大学大学院 工学研究科 環境建設工学専攻 博士前期課程 2年
- テーマ:「BIMを用いた旧宣教師館「デフォレスト館」の保存・活用に関する研究」
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秋山 愛斗 さん
- 北海道職業能力開発大学校 専門課程 建築科 的野博訓研究室 2年
- テーマ:「現在求められる新コミュニティー建築とは… 東日本大震災の3.11の教訓を活かしたコミュニティー都市構想」
2014年度 OASIS加盟校「研究・調査支援奨学金」概要
目的
OASIS加盟校に在学する学生(グループを含む)の学術研究・調査を支援するものです。
対象となる研究・調査
2014年度の支援対象となる研究・調査は、「思い切って「新」常識人になろう」をテーマとして、日本の将来を見据えた問題解決の調査・研究にかかわるものとします。
私たちは何か問題にぶつかったとき、「対症療法的な処置」に活路を求めがちです。「問題解決」といいながら、せいぜい部分的な改良案や回避策であることが多いものです。残念なことに、安易な改良や回避策は時として問題を余計複雑にして、新たな別の問題を派生させたり、全体の解決を遅らせるということもしばしば経験するところです。
- 天文学上、もっとも重要な再発見と言われる、コペルニクスの地動説は、「惑星」の動きをよりシンプルに理解するためのものでした。つまり、当時の常識どおり「太陽が地球を回っている」と考えると、天球上を途中でいったりきたりする「惑星」の動きは、なんとも奇妙で説明しづらい物でした。そこで、常識とは逆に「地球が太陽を回っているのだ」と考え直せば、すべてのことがシンプルに説明できることに気づいたのです。
- 何度実験を繰り返しても、ある条件下では定説とは違う結果が出てしまう。ここで、多くの先人達はこれをエラーデータ、つまり、観測間違いや装置の故障せいだとして無視し続けました。江崎玲於奈さんは、これまでの定説の方がおかしいのではと疑い、そのデータを徹底的に追求し、江崎ダイオードの発明にいたりました。
さて、唐突に歴史上の偉人と我が国のノーベル賞受賞者などという誇大妄想的な事例紹介をしてしまいましたが、ここに問題解決の大きなヒントがあると私は信じています。つまり、
- 何らかの困難に直面したとき、都合の悪いデータの中にこそ問題解決の糸口がある。
- ものごとを常識にとらわれないで、よりシンプルに捉え直してみると、問題の核心に迫れる場合がある。
さて現在の日本を見れば...
- なかなか思い通りには進まない東北震災の復興。
- 先の読めない福島原発事故の後始末や日本全国多量に蓄積された放射性廃棄物の処理。
- 来るぞ来るぞと言いながら、結局たいした準備もしてこなかった「少子高齢化・過疎化社会」がいよいよ目前にやってきた。
これらの問題は、待った無しです。「いろいろ努力はしているんだけど...」という言い訳が、もはや通用する状況にはありません。果たして、これまでどおりの組織が、これまでどおりの手法でコツコツ努力すれば解決できるという課題でしょうか。ひょっとしたら、これまでの「常識」や「前例主義」が問題解決の邪魔をしているのではないかとさえ思います。「そうはいっても、私たちが計画している調査・研究は、それほどおおげさなものではないですよ」そうおっしゃるかもしれませんね。しかし、私たちはそうは思いません。どんな調査・研究も「何らかの問題を解決」を目指しているかぎり、めぐりめぐっては、日本の将来の進路に深く関係しているものと信じています。
そこで、私たちは 2014年OASIS奨学金をつぎのような研究・調査に提供することに決定しました。
- 何らかの問題解決を目指している
- 対症療法的な処置や、近視眼的な部分改良に答えを求めるのではない
- 問題の本質を捉えて、解決策を得ようとする調査研究
応募資格はOASIS参加校の学生のみなさんで、「問題解決をしよう」とする強い意思のある方です。その専攻学科、研究分野は問いません。建築、土木、造園、内装はもとより、文学、美術、語学、哲学、音楽、数理などなど、どのような分野からの応募も歓迎します。
「今日の常識は明日の非常識」世の中を変える、こんな新常識がみなさんの研究・調査から生まれることを強く期待します。
選考委員長 大河内勝司
【OASIS加盟校を対象とした研究・調査支援奨学金制度】2014年度募集要項
テーマ
「思い切って「新」常識人になろう」をテーマとして、日本の将来を見据えた問題解決の調査・研究にかかわるもの
応募方法
本年度の募集は終了いたしました。沢山のご応募ありがとうございました。
スケジュール
2014年5月1日 | 応募用紙ダウンロード開始 |
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7月15日 | 応募締め切り(当日消印有効) |
7月31日 | 選考結果個別通知 |
8月22日 | 選考結果発表・支援開始(教育シンポジウム会場) |
2015年6月末日 | 研究成果提出 |
2015年 夏 | 成果発表会 於 教育シンポジウム会場 |
選定方法
弊社内に設置する選定委員会にて選定します。
選定された方々のお名前と提案内容は、OASISホームページにて、発表いたします。
奨学金と研究成果
総額100万円。OASIS加盟校の学生(グループを含む)を対象とし、最大5個人、または、5グループとします。使途に制約はありません。
研究成果は2015年6月末日までに弊社宛ご提出ください。
研究成果発表
2015年夏、Vectorworks教育シンポジウムにて成果を発表していただきます。