" Designs "をテーマに「Vectorworks Solution Days '11」開催。

 
12月8日(木)、9日(金)、東京 恵比寿 ザ・ガーデンホールにて「Vectorworks Solution Days’11」が開催されました。

会場では、「Accelerate Your Designs」をコンセプトに開発された最新のVectorworks 2012シリーズの紹介をはじめ、初日の基調講演には建築家・西沢立衛氏をお招きし、両日とも「Designs」をテーマに多彩な講演が行われました。

また、展示ゾーンではVectorworks 2012シリーズ、各種ソフトウエアや最新鋭のソリューション機器、OASIS加盟校学生作品等の展示に加え、ユーザ作品の特別展示では「想いをかたちにするVectorworks」と題し、さまざまな作品が展示されました。多くのユーザや各業界関係者の方々にご来場いただき、賑わいを見せた2日間となりました。
 
多くのお客様にご来場いただき、ありがとうございました。
【初日基調講演】近作について
 西沢立衛建築設計事務所 代表 西沢 立衛 氏
建築家 西沢 立衛 氏
 
開催初日の基調講演では、「近作について」と題し、国内外で数々の賞を受賞されている、建築家 西沢立衛氏より西沢立衛建築設計事務所と妹島和世氏との共同事務所SANAAの両方の作品について紹介いただきました。

初めに、「建築と人間の関係、建築と環境の関係が大きなテーマで、環境に調和し、環境に開かれた建築を目指しています」と、ご自身の建築に対する想いを語り、作品の解説を始めました。

現代美術を地域にどのように調和させるかを考え、起伏が豊かな場所で作品と空間、周りの風景と建築の融合を目指し、水滴のようなかたちとした「豊島美術館」。
自然の起伏が3mある緑豊かな敷地で、光が入る空間に展示したいと言う画家の希望も取り入れ、屋根も床も一緒にカーブさせながら高低差を緩やかにつなぎ、一つひとつの作品をゆっくり鑑賞できる空間を考えた「軽井沢千住博美術館」。

約4万平方メートルの巨大な空間を環境に調和させることを考え、敷地の緩やかな起伏にあわせて建物を配置した、パリ郊外の炭坑跡地に計画中のルーブル美術館の別館「ルーブル・ランス(※)」。
 
山の地形を壊さないために、空間を空中に浮かばせ、中のプログラムと木を避けることの両方からかたちを決めていったニューヨークの別荘「Tree House」、庭のような家をコンセプトとした「HOUSE A」など、美術館や住宅など国内外の11作品を挙げ、単に環境に開くのではなく、建築と場所や人との連続性を考えてアプローチする設計手法や建築に対する想いをお話いただきました。
※ SANAA作品。
【初日実践事例講演】何をどの様に表現するか?
 ナカムラデザイン事務所 代表・インテリアデザイナー 中村 隆秋 氏
ナカムラデザイン事務所
中村 隆秋 氏
 
実践事例講演では、「何をどの様に表現するか?」と題し、何(コンセプト)が、どの様に表現(デザイン)されたかを紹介いただきました。

電子書籍が発売間近であったことから書店のあり方を改めて考えた「MARUZEN丸の内本店」、丸の内本店でのコンセプトをモール型の大型施設にいかに当てはめるかが課題となった「MARUZENラゾーナ川崎」。先行するサイン計画でのコンセプト“一本の道”をどのようにインテリアデザインに発展させるかが課題となった「日産自動車のデザインセンター」。

企業のキャッチフレーズから“間(あいだ)”を表現することを考えた「オムロンヘルスケア」のショールームなど、複数のクリエイターがさまざまなポジションで関わった6作品を解説いただきました。
特に、カプセルホテルを1から見直して再構築することに取り組んだ「ナインアワーズ京都寺町(9h)」では、“シームレス”をコンセプトに、クリエイティブディレクションとプロダクトデザインの柴田文江氏と、サインとグラフィックデザインの廣村正彰氏とお互いの領域を超えてフォーメーションを組み、中村氏にとっても新鮮な発見があったというデザインプロセスについて、詳しくご紹介いただきました。

最後に、「さまざまな考えをデザインに修練していく上で、すぐれたコンセプトがそのプロジェクトにふさわしいすぐれたデザインを導き出すと考えています」と、コンセプトがデザインにとって、とても重要であることを強調し講演を終了しました。
 
【2日目特別講演】デジタルテクノロジーを用いた新しい環境デザインのあり方について
 株式会社SUEP 末光 弘和 氏、末光 陽子 氏
株式会社SUEP
末光 弘和 氏、末光 陽子 氏
 
2日目の特別講演では、「デジタルテクノロジーを用いた新しい環境デザインのあり方について」と題し、株式会社SUEPの末光弘和氏と末光陽子氏より、6つのテーマで作品を紹介いただきました。

暖かい涼しいをデザインした例として、庭とのつながりを考え、建築的には木陰のような形状の構造ユニットを組み合わせた空間とし、ユニット自体を冷やす輻射冷房によって涼しさを生み出した「Kokage」や、大地を暖める床暖房の「Kubomi」。

目には見えない環境のコンテクストを読み込んだ例としては、斜面地で温度が安定している地層の利用を考えて空間を計画し、自然の冷房効果を活用した「地中の棲処」。
さらに、光や熱のシミュレーションソフトを活用し、セラミックパネルの蒸散効果で葉陰のような心地よい環境をつくりだした「葉陰の段床」。

従来の施工方法では実現が難しい自然な造形に近い有機的なデザインを、自動車専用のCADを活用することで実現に導いた施工中の公共建築など、テーマにもとづき7作品を解説いただきました。
 
そして、「環境と融合するデザインの実現には、『デザイン(Design)』『実験と検証(Lab)』『製作(Production)』のネットワークの中でプロジェクトを進めることがとても大切だと考えています」と、新しい技術に取り組むにあたってはソフトウエアでのシミュレーション結果を過信せずリアルで検証し、工場とも連携することの重要性を示して講演を終了しました。
【2日目実践事例講演】環境をカタチにするコンピュテーションの力
 アンズスタジオ 代表 竹中 司 氏
アンズスタジオ
竹中 司 氏
 
最後の実践事例講演は「環境をカタチにするコンピュテーションの力」と題し、アンズスタジオの竹中司氏より講演いただきました。

最初に、「ネットワークベースドデザインとコンピュテーショナル・デザインのふたつの関係性から新しい可能性を解いていきたい」と話され、コンピュータを使って環境と建築の関係性を考える『先進建築学』の領域について、その歴史や、ネットワークベースドデザインの先駆けである『Virtual Design Studio』について解説いただきました。そして、現在、豊橋技術科学大学で空間をミラーリングして海外と積極的につないでゼミを行っている取り組みが紹介されました。
さらに、デジタルファブリケーションの進化にも触れた上で「単なる電子化ではなく、手を超えた領域に達するというのがコンピュテーションです」と語り、小学館のビルで風と光の動きや量を数値化し、プログラムを走らせて木漏れ日空間をデザインにした事例や、都会に自然を感じる森を生成したソニーシティ大崎のランドスケープデザインに活用した『種まきプログラム』について、環境の情報をパラメータという数値に変えて、環境と呼応するデザインをどのようにカタチにしたか、そのデザインプロセスについて詳しく解説いただきました。
 
最後に、「コンピュテーショナル・デザインでは、思考の流れをデザインとして表現するために、アプリケーションの持つポテンシャルを引き出し、ものをつくる手段すなわちツールをつくりあげることが重要です」と、思考することがいかに大切かを強調し講演を終了しました。
「Vectorworks 2012 Accelerate Your Designs」 -開催初日/2日目-
 エーアンドエー株式会社 販売推進部 販売推進課 塩澤 茂之
販売推進課 塩澤 茂之
 
2日間にわたって行われた来春発売予定の新バージョン機能紹介では、設計のスピードをより早くをコンセプトに、100以上の機能追加、改善が図られたことが報告されました。

より直感的に扱うことができるようになったツール設定への迅速なアクセスや、2D/3D背景色の変更、レイヤ全てを透過するX-Rayモードなどに加え、最大の特徴となるオートマチックワーキングプレーン、寸法ツールの3D対応などが紹介されました。

さらに、Architect/Designerシリーズに搭載の階層管理できる「ストーリ」機能や、影のシミュレーションが可能な「太陽光設定ツール」などデザインワークを加速する数々の新機能が紹介されました。
 
「Accelerate your BIM」 -開催初日-
 エーアンドエー株式会社 営業部 BIM・環境デザイン推進課 佐藤和孝
進化をつづけているVectorworksのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)について、昨年以上に関心が高まっていることに触れ、BIMユーザ向けにA&Aから発信している情報を改めて紹介しました。また、Vectorworks2012シリーズのArchitectやDesignerに搭載された、エスキスからモデリング、コラボレーションまでをサポートする新機能を紹介し、OpenBIMとして外部アプリケーションとの連携がよりスムーズになった点も強調しました。

最後に、アメリカプレキャスト学会BIM委員会で、次世代のプレキャスト構法モデルをつくる先駆けとして、Vectorworksが評価され選ばれたことも報告しました。

※BIMの詳しい情報は、 「Vectorworks BIM log」でご覧いただけます。
 
BIM・環境デザイン推進課 佐藤 和孝
 
「Vectorworksで簡単シミュレーション」 -開催2日目-
 エーアンドエー株式会社 研究開発室 室長 木村謙
研究開発室 室長 木村謙
 
“設計の質を高めるデザイナーの武器”として、これまでに日本向けに開発した法規チェック用のSHADOW、VOLUME、天空定規、環境設計用のサーモレンダー、歩行者シミュレーションソフトSim Treadの実績と状況をお知らせしました。

また、Sim Treadについては、VectorScriptを活用し、Build Live Kobe2011にて、チームBIXが行った、人のアクティビティから空間を考えた事例を紹介しました。

さらに、参考展示した現在開発中の『風の流れを考えるシミュレーション』、『DIA Luxと連携した照明のシミュレーション』、『PAL(年間熱負荷係数)のシミュレーション』の3つを紹介し、「みなさんの意見や要望をいただき、さらに使いやすいソフトにしたい」と、商品化に向けての意気込みを述べました。
A&Aソフトウエア/Vectorworksソリューション:メーカー展示/ユーザ作品展示/OASIS加盟校作品展示
展示ゾーンでは、新バージョンのVectorworks 2012をはじめ、Vectorworks関連製品を紹介するA&Aコーナーに加え、メーカー14社の協力による最新のワークステーション、レーザープリンタや3Dプリンタ、デジタルカメラなどの周辺機器、IFC連携によるデータ互換を実現するBIM関連ソフトウエアなどが出展され、来場者の方々が熱心にスタッフの説明を受けていました。
 
また、OASIS加盟校展示に加え、「想いをかたちにするVectorworks」ユーザ作品として、TRINITY DRIVEの「HAND BIKE」、スタジオ・ハーフ・アイの「完全変形ダンガイオー」、H2DOの絵画兼用家具「Furni-phics」、punto-designの「THE NEW STYLE CAMERA」の展示、さらに、アンズスタジオより次世代に向けたモノコック型木加工の提案として「ニューロ・ファブリクス」が特別展示され、すばらしい作品の数々に、ご来場の方々からは絶賛の声があがっていました。
A&Aカフェ「SweetJam」も出張出店し、講演の合間には長い列ができていました。講演会場、各コーナーともに多くの来場者で賑わいをみせた2日間でした。
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