研究開発

イクケイ[育形]ワークショップ 審査結果

- デジタルエスキスツール・ワークショップ @A&A EXPO 2006 -

A&A EXPO開催後、評価会を実施。厳選な評価の結果、優秀賞、奨励賞を選定しました。

受賞のみなさん、おめでとうございます。

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優秀賞(2点)

福田 一志 様 「Harmony of a color」

羽のような形態が折り重なり透過しながら見せる微妙な色の混ざり合いが美しい。 形だけでなく色の変化も生物の「群れ」のような美しさを追求できる可能性を示してくれました。(小泉雅生 選)

宮本 里見 様 「むだい」

このツールで作成したものとしては比較的オーソドックスですが、 散らばり具合に「まとまり」と「ばらつき」の間というこのツール本来の意味を思い出させてくれるセンスを感じました。 成長しつつある形態をどこの時点で美しいと判断するのはコンピュータではなく人間です。 (池田靖史 選)

奨励賞(2点)

酒井 康史 様 「いれこ」

ツールでつくった形をテクチャーとして更に育てる二重化のアイデアの斬新さが我々を驚かせました。 入れ子の構造がさらに生命的な印象を高めてくれることも発見です。

近藤 弘文 様 「kondou」

シャープで機械的な形態と生物的な位置関係という正反対のベクトルが、むしろ非常に空間的な、構築的なデザインの世界への広がりを見せてくれました。


審査員総評

ワークショップ終了後、ウェブ参加を含む全ての作品について1作品ずつ見せてて頂き厳正な審査をしました。全体として大変興味深い作品が数多く集まり、このデザインツールの持っている面白さを感じることができましたが、 その一方で何を持って「優秀」作品とすべきか大変難しい問題であることを我々の方が問われた気もします。 今回は何かの問題解決の程度を争って頂いた訳でも、テクニックを競って頂いた訳でもないのですから「優秀」と言う言葉は適当でないかもしれません。

そうした中で講評のときに出て来た視点が二つありました。1つ目は出て来た作品を見ていて空間的な、あるいは都市的なデザインのインスピレーションを喚起するものがいくつかあると言うこと。 2つ目は今回は最終的な提出作品が2次元的な画像だったこともあって、どのような形態が育ったかと言うこととは別に、 その3次元的な空間や形態をどのように「見せる」ことができたがその印象を大きく左右するという点です。

最終的に選定された以上の作品は主にこうした点からより刺激的で今後の展開により大きな可能性を感じさせてくれるものとしました。 また当初の予定では2作品ということでしたが、選定の過程で最終段階まで残ったもう2作品についてを奨励賞として追加することを決めました。

ご応募大変ありがとうございました。

小泉雅生 (首都大学東京都市環境科学研究科 准教授)

池田靖史 (慶応義塾大学院政策・メディア研究科 助教授)

イクケイ [育形] ワークショップ企画・運営協力

慶応義塾大学 池田靖史 研究室

早稲田大学 渡辺仁史 研究室