ユーザ事例 & スペシャルレポート

A&A、2008年最大のイベント!「A&A Festa'08」開催

12月2日(火)東京:品川THE GRAND HALLで、4日(木)は大阪:梅田スカイビルにて、「A&A Festa'08」を開催いたしました。

会場は、来年発売となる「Vectorworks 2009」をいち早く見たいと駆け付けた皆様や、2008年度グッドデザイン金賞を受賞した「サーモレンダー3 Pro」をはじめとするA&Aソリューション、協賛各社の最新鋭機を一目見ようとご参加された皆様の熱い熱気を感じる中、ショーン・フラハティCEOの基調講演を皮切りに様々な催しが行われました。Vectorworksプロフェッショナルアドバイザーによる相談コーナーや、A&Aスタッフが直接ご相談をお聞きするユーザサロンも登場、盛り沢山のFestaを多くの方々が満喫されていました。


基調講演「建築家に成功をもたらす三次元環境」

Nemetschek North America社
ショーン・フラハティCEO

基調講演に立ったVectorworksの開発元、Nemetschek North America社のショーン・フラハティCEOは、「Vectorworks 2009は、お客にとって大きな飛躍をもたらすものになります。ここ数年来で最も大きな決断をした理由についてご説明したいと思います。」と切り出し、2009に搭載された新たなテクノロジーについて解説をはじめました。

「現在、建築業界の問題として、建築家は"できるだけ効率よく設計したい"と考えるのに対し、施主は"安く建てたい"と考えます。この実情によって設計変更が生じた場合、建築家や建設会社はとても面倒な状況に陥ってしまいます。BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)は、これらを解決するためのものになりえます。」とBIMの必要性を説明、その一方で「CADアプリケーションはもともと作業プロセスの変更を必要としませんでした。ところがBIMがその考えを全く変えてしまい、建築家の方々の仕事のやり方までをも変えてしまう事を要求しました。」とBIMがもたらす問題点についても指摘しました。

そして、これらの問題点について「私たちは、仕事のやり方を変えず、すぐに導入していただけるBIMを提供したいと考えています。」、「今、すぐ皆様がBIMを使えるようするために、私たちは3Dシステムを完全に見直しました。」と、シーメンスPLMソフトウエア社のParasolidテクノロジーを採用した理由を説明しました。
「そして、建設CADの向かう方向が、3Dであるならば私たちは世界一のモデリングシステムを目指したい。」とVectorworksの開発元としての決意を強調しました。

次に、Parasolidが与える3D性能を解説、さらに世界一高度なモデリングカーネルの恩恵として、2Dにも操作スピードや信頼性を与える事を語り、その例として「合成や切り欠きなどの2Dプール演算、オフセット、スナップなど、どれも2009の新たなエンジンの恩恵を受けています。」と語りました。

また、70以上にも及ぶVectorworks2009の新機能の中には、「スナップルーペ」という革新的な機能も含まれており、米国市場では、"とにかく作図が早くなった。"、"この機能によって浮いた時間だけを見てもバージョンアップへの投資の元が取れた。"など、沢山の賞賛をいただき、「2009と旧バージョンとで全く同じ操作を行った場合でも、格段に早く作図が可能になりました」と、Parasolid以外の側面からの2009の魅力についても語りました。

最後に「米国市場から世界中へと販売のはじまったVectorworks2009シリーズに、しっかりとした手ごたえを感じています。また、お客様の多くでParasolidの採用も非常に好意的な反響をいただいており、日本のお客様にも気に入っていただけることでしょう。」とのメッセージを最後に講演を終えました。

Vectorworks2009新機能デモンストレーション

エーアンドエー株式会社 
販売推進部 塩澤

続いてはじまったVectorworks2009のデモンストレーションでは、弊社販売推進部:塩澤より、まず新たに日本市場に投入される「Vectorworks Architect シリーズ」をご紹介。同時にVectorworks2009シリーズの新しいパッケージデザインが発表されました。

また、先の基調講演で紹介のあったParasolidについて「多くは製造系CADで利用されている事で有名です。例えば、自動車産業や航空産業などの非常に高いモデリング精度が要求される業界にてデファクトスタンダードとして採用されているモデリングカーネルです。」とより具体的に解説。

その具体的な恩恵としてVectorWorks2008を例にあげ、Vectorworks2009と全く同じ形状に3Dフィレットを実行させ、2008では生成できなかった形状が、2009では正常に生成される事や、鋭角な3Dパス図形の生成が可能になったなど、主な3D機能を披露。

さらに、2D曲線に対し2Dオフセットを行った際の精度の高さを実演し、2Dにも大きな恩恵を与えるParasolidの性能をアピール。続けて、多数ある新機能の中から、スナップルーペをはじめ、大幅に見直されたスナップ機能、リソースブラウザ、建築設計支援機能、3D PowerPack、テクスチャマッピング、互換性、データライブラリなど、大幅に強化された各機能を紹介し、会場では配布された資料に熱心にメモを取る姿も多く見られ、2009への大きな期待が感じられるデモンストレーションとなりました。

パネルディスカッション「想いをかたちにするための方法」

夕刻に開催されたパネルディスカッションには、自ら建築事務所、デザイン事務所を運営しながら教育の現場でも活躍し、Vectorworksの本の著者をされている河村容治氏、柴田映司氏、福田一志氏の3名がパネラーとして「想いをかたちにするための方法」を語りました。

福田 一志 氏

柴田 映司 氏

河村 容治 氏

ディスカッションの前半では、3人に共通する教育者という立場から見た、"思いをかたちにする手法"として、3次元の重要性を強調しました。

河村氏:「私たちが住むこの空間も3次元な訳ですから、デザインも3次元で行った方が自然なんです。」

柴田氏:「図面を見る目が必要、見た図面が自分の頭の中で立体に組み立てられなくてはいけない。初心者こそ、はじめから3次元で行う事で2次元に展開していくという事も早くなっていきます。」

福田氏:「今までは、2次元から3次元など、パース屋さん等が行う事が3次元というイメージがあったと思うんですが、いきなり3次元で物を考えるという事が最も理解しやすく、そこから2次元にばらしていくという業務は簡単に行いやすいと考えています。」

さらに、それぞれの経験や実績、作品などを交えながら、想像を具現化するためにVectorworksをどう活用していくべきなのかを熱く語りました。

河村氏は、ご自身の研究として行われた「3Dを用いた表現手法」の研究成果を披露され、人が分かりやすい(理解しやすい)表現方法として、アニメーションのスピードのコントロールや、効率的なレンダリング方法、カメラ目線など実務にそった設定などを紹介。"見る人目線"での3次元プレゼンテーションの必要性を説明いただきました。

福田氏は、近年の有機的な建築などを例に挙げ、VectorworksのNURBSを利用したデジタルスケッチ作品を紹介しながら、目的とは違った発想から、想像以上の造形美をもった目的物が生まれてくると、発想の種を参加者の皆さんに伝授いただきました。

柴田氏は、著書「VWDesigns」にも使われたプラスチック成型モデルを例にとり「試作を行うにもNURBS曲線は大事ですし、非常に自由です。Vectorworksには3Dの線を活用できる機能が搭載されています。」と簡単に整形モデルを作成する手順を実演していただきました。

また、最後にはBIMについて、「もともと、VectorworksはBIMなんですから今さらいう事でもない。」と、あえて古いバージョンの作品を用いて、ハイブリッドシンボルの活用、ワークシートでの集計や、v12DX以降、搭載された断面ビューポートなどを紹介しながら、「常に変化にも対応できるものがVectorworks」とVectorworksの多様性、柔軟性もアピールいただき、パネルディスカッションを終了しました。

(2008年12月)

 

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