製品機能

歩行者や群衆行動の見える化

SimTreadでは、歩行者のシミュレーションをVectorworks上で人を図形シンボルで表現し、設定された目的地に向かって、設定歩行速度で最短ルートをたどり移動します。その間、人同士の衝突や停滞ストレスを色で表現します。解析結果は、0.2秒毎のコマを繋いだMOV形式のムービーファイルで書き出され、計画者(主催者)だけでなく、クライアントなど、誰にでも分かるビジュアルで表現します。

簡単なワークフロー

SimTreadのワークフローはとても簡単です。Vectorworks上で図面を作成した後に[障害物の設定]、[人の配置]、[目的地の設定]の3ステップを行うだけ。あとは解析を実行すればムービーやログファイルが生成されます。

歩行シナリオ設定ダイアログ

今までの人の流れの設定において、データパレットにおいての「目的地番号」や「postEvent」などのコマンド名の記述による歩行シナリオの設定は慣れが必要であり、また、データパレットの狭いフィールドにおいて、長い目的地列が入力しづらく入力ミスの要因となっていました。今回の新バージョンの2019では、これらを解決すべく、メニューコマンド【歩行シナリオ設定...】を追加しました。

目的地列パラメータを持つ図形(ひと・車いす・目的地・ひと発生領域・階段図形)をひとつ選択して、【歩行シナリオ設定...】を実行すると、「歩行シナリオ設定」のカスタムダイアログを表示することができるようになり、より直感的でスムーズな操作ができるようになりました。「歩行シナリオ設定」ダイアログでは、今までのような歩行者のアクションを『目的地列コマンド「wait、endなど」書式の入力』、または、『歩行シナリオ』一覧編集の2通りで設定することが可能です。

ひとオブジェクトの配置と解析(移動)時の変化

人の設定は、ひとオブジェクトを解析スタート時の位置に配置するだけで完了します。Vectorworksの汎用機能を使って複製や配列を行うことが可能です。さらに、SimTreadに搭載されている「人を配置...」コマンドを利用すれば、歩行速度毎に何人配置するか一括で設定することが可能です。解析をはじめるとひとオブジェクトは、目的地に向かって移動する人間同士の衝突や停滞ストレスをSimTreadは3つの色で表現します。

  • 人同士が衝突を回避するために向きを変えたり、減速している時は「青枠」
  • 人同士が衝突を回避するために停滞(一時停止)している時は、「赤枠」
  • ストレスなく、移動できている時は、「白(黒枠)」

人の歩行速度と変速設定

ひとオブジェクトは、歩行する速度を変更する事が可能です。付属テンプレートでは、毎秒1.3m(1.3m/s)が設定されており、ひとオブジェクトのパラメータで、1.0m/sから1.5m/s程度で変更できます。斜路や階段などは、歩行速度が平らなところよりも遅くなります。この状態を再現するため、変速領域設定を利用して、歩行速度を調整することが可能です。

人の自動発生

通勤時の駅の改札口など、一定の割合で人が出てくる場所を再現するために、人発生領域を利用する事ができます。自動的に発生させる場所を四角形ツールで作成し、人発生領域設定を行うだけで自動的に人が発生されます。

階段オブジェクト

今まで階段を表現する場合、歩行領域・障害物・変速領域・目的地・ワープ領域を組みあわせて表現をしていましたが、多数の図形を扱い、さらに、パラメータの設定や図形の移動・変形など作図の際のユーザ負荷が大きくかかっていました。

バージョン2019では、プラグインオブジェクトの「ST_階段図形」を追加し、歩行領域・障害物・変速領域・目的地・ワープ領域などの組み合わせにより階段の歩行を表現できます。階段の形状は4種から選択し、各部位の幅・長さを可変とすることもできます。

複数階図面にも柔軟に対応するワープ領域機能

一つの作図空間に、複数階のフロアを作図することもあります。また、建物全体のシミュレーション解析を一度に行いたい場合にも一つの作図空間に全てのフロアを作図することもあるでしょう。SimTreadでは、こういった場合にも柔軟に対応します。 上下階をつなぐ階段をワープ領域設定を使って各階のリレーションを設定できます。

ワープ領域図形を同一形状にするコマンド実装

ワープ領域図形はワープIDごとに対(2つ)で作成し別々の図形として管理し、さらに、計算を行う際の形状が同一である必要があります。今までは、ワープ領域図形は図面に合わせて手作業で形状を変える必要があり、対となる図形についても同様に手作業での同一形状にする作業が発生していました。

新バージョンの2019では、ST_ワープ領域図形のデータパレットに「同じワープIDの図形を変形」ボタンを追加しています。ボタン選択により同じワープIDを持つすべてのワープ領域を同一形状に変形するコマンドを実装し作図の効率化と時間短縮が計れるようになりました。

特定地点の通過数係数(流動係数測定)

特定のラインを、どれだけの人が通過したか(断面交通量)を計り、流動係数を測定する事が可能です。測定のための設定は、測定したい箇所に、線を作り、それを流動係数測定ラインにします。また、表示したい場所に、四角形を作り、それを流動係数測定グラフにし、流動係数測定ラインを作るには、直線(線分)を選択し、「流動係数測定ライン...」コマンドを実行することで流動係数を計測できます。

ポテンシャルマップの表示

解析結果には各目的地のポテンシャル情報が記録されるので、それをポテンシャルマップとして表示することができます。ポテンシャルマップでは、各地点から目的地までの距離をすぐに把握することができ、おかしな隙間が空いている箇所がないかなど、確認できます。これらを考慮して障害物の配置や誘導経路、通路幅などを見直し、シミュレーションすることでストレスのない空間や誘導を作り出せます。

ポテンシャルマップから逃げ地図を作成

ポテンシャルマップ表示の8色モードを利用することで、「避難地形時間地図」(通称:逃げ地図)と同様の表現が可能です。歩行領域を道路に限定して計算し、ポテンシャルマップを表示することで、道路に沿って避難地点(目的地)までの距離が色分けされます。SimTreadでは、逃げ地図と同じ8色で表現できるようになりました。

特集|逃げ地図の作成と動画出力

広域シミュレーション時に便利な人図形の強調表示

建物や施設内でのシミュレーションと違って、地区単位や都市単位などの広域シミュレーションでは、人図形が点のようにしか見えず、時間経過による変化が分かりにくい状態になってしまいます。このような場合を想定し、SimTreadには人図形の周囲を赤く強調表示させる機能が搭載されています。

プラグインオブジェクトとなり、Vectorworks上での操作性が向上

シミュレーションの領域などの領域や人などがプラグインオブジェクトとなりました。データパレット上で簡単にパラメータを確認、変更が可能です。これまで通りに図形を選択してメニューからオブジェクトに変換することも、ツールを使って直接オブジェクトを作ることもできます。

また、Vectorworks上で図形の上に設定値を表示することができるようになりました。様々な設定が一覧でき、理解しやすくなっています。

動画出力範囲の指定

動画出力枠を用いて、シミュレーションモデルから動画に出力する範囲を指定することができます。シミュレーションモデル全体だけでなく、街の交差点や建物の非常口など細部の歩行状況の確認に役立ちます。

不要部分のマスク機能

階段を表現するためのワープ領域図形や作図補助のための図形など、動画上で表示させたくない図形は、マスク図形を用いて隠すことができます。不要な部分にマスク図形を重ねるだけで必要な情報のみの動画を作成することができます。

表現力の向上

人オブジェクトに色を設定できるようになりました。任意の色を設定するだけでなく、速度や目的地ごと色を設定する事ができます。また、出力する動画上のカウンター欄やグラフに表示する内容や色も変更が可能です。

シミュレーション動画のプレビュー機能

プレゼンテーションに必要不可欠な動画作成において、その完成状態(解像度・フォント・マスク・グラフ・色分け等)の確認は重要な作業となります。今までの SimTead の動画作成では、見た目を確認したい場合にも計算を実行する必要があり時間がかかる作業でありました。

バージョンの2019では、【計算実行...】コマンドの解析条件設定ダイアログに「動画プレビュー」ボタンを追加しています。計算開始前の動画の描画状態を表示することができるので、イメージ通りのレイアウトか素早く確認し動画作成に移ることができます。

計測領域の設定

計測領域を設定することで、領域内の人数を計測する事ができるようになりました。

イベントの設定

人が目的地に到着したり、領域内の人数が一定の値に達したりといった条件を満たした際、イベント(メッセージ)を発信できるようになりました。

シミュレーションモデルの強化

シミュレーションモデルに車椅子を新たに追加しました。また時間の経過やイベント(メッセージ)を受けて出現/消失する障害物を作成できるようになりました。開閉するドアや、時間とともに歩行の障害となるものを登場させることができます。

計算精度の向上

従来のバージョンでは人が集中するとつかえてしまうような細い通路でも、きちんと通れるように計算精度が向上しました。

SimTreadの様々な活用シーン

SimTreadには、使用用途に制限はありません。 歩行のイメージから避難誘導計画でのみ利用されるものと思われがちですが、それらの避難シミュレーションはもちろん、イベント時の誘導計画や設営計画、イベントやライブ開催における有効収容人員の把握、誘導経路の検討など、様々な用途に活用いただけます。

SimTreadと逃げ地図

SimTread上で逃げ地図を描くことが可能になりました。イベントのために作成した動画表現と、逃げ地図の描画方法を紹介します。

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Vectorworks

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