2011年3月11日に発生した東日本大震災の爪痕は、3ヶ月経った今でも、山積みの課題をその
ままに復旧作業が続き、多くの方々が避難所生活を余儀なくされています。復興の目処は長期化し、この地震・津波・原発が、未曾有の惨事となって被災地の方々を苦しめている様を見る時、あらためて人間の非力を思います。今回の大震災については、多くの識者、研究者が検証をはじめておりますが、専門分野の有識者をもってしても<想定外>ということで、予測できなかった災害として議論されております。しかしながら、少し歴史を遡ってみれば、近くは明治29年、遠くは貞観11年の三陸沖の地震による大きな津波被害のあったことが知られており、想定外とするにはあまりにも甚大な犠牲であったと思わずにはいられません。「何故、伝承されなかったのか?」。今回の被災地域の中には先人の知恵や言い伝えが効を成し、亡くなった方がゼロという地域もあると聞いております。
わたくしどもは、かねてより、OASIS加盟校の学生・教員の皆様の研究・調査活動をバックアップしたいという想いがございました。CADを手にした学生が、学生だからこそできる自由闊達な発想、アイデアを、コンピュータ上でシミュレーションし、さまざまな可能性に挑戦していくことを期待しているのです。1ベンダーとして出来ることには限りがありますが、一過性に終わらせることなく継続的に支援してまいりたいと考えております。その想いの下に今回、表題の「OASIS(オアシス) 加盟校の皆様を対象とした研究・調査支援奨学金制度」を設け、支援いたしますとともに研究成果を発表できる場を提供したいと考えております。
本年度はその第1回目として、「東日本大震災復興のための調査・研究」にテーマを絞ってスタートいたします。今後の復興のためには、あらゆる角度からの研究、調査が必要不可欠と思われます。 本奨学金制度は、現代の若き学生自らが必要と思う研究、調査をおこない、「将来の日本への提言」として、次代のために伝承できる研究に取り組んでいただくことを切に願って実施するものです。
多数の応募をお待ちしております。
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