私どもが取り組んできた復興支援活動が、「明日への襷(たすき)」となって、若い人たちに引き継がれ、これからも活動を続けられること、なによりうれしく思います。
やがていつの日か、この若い方達が社会で活躍する大きな礎になっていくものと信じます。
今回の「現場からのレポート」は、教育シンポジウム2012で発表された、奨学金制度を活用した彼らの取り組みを紹介します。「ひたむきさ」「被災者に寄り添う優しい眼差し」「行動力」「団結力」「パワー」「エネルギー」、私たちは若い人たちの大きな力に勇気づけられ、これからも被災地の方々へ想いを寄せて、共に復興への支援を続けてまいります。

 

今回、東日本大震災を受けて、学内で出された災害時におけるデザイン提案を考える課題に取り組んだ学生の中から、A&A震災復興研究チームを結成しました。研究チームで初めて取り組んだのは、気仙沼市役所のコミュニティスペースに置く、子供達のための遊具デザインです。気仙沼市役所は震災以降、ごく一部の窓口しか機能していませんでした。... (続きを読む)

 
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今回、突発性自然災害における退避行動を研究するため、退避行動シミュレーションを行いました。活動に先立って行った参加者へのアンケートで福山市の印象は、「気候が穏やか」「地震が少ない」「台風が来ない」「水害がない」、そして、東日本大震災のような災害が実際に起っていないこともあって、「災害の伝承がない」、そのためか「大災害は起らない」という衝撃的な回答でした。... (続きを読む)

 
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『A Book for Our Future, 311』の活動は、地震で多くを失った方々が、これからのことを考える手助けに少しでもなればと考え、震災直後に宮城県の南三陸町で地元の方々向けに行った、ワークショップが発端になっています。研究室のメンバーや有志の学生で現地に入り、ワークショップではとにかく思いつくまま、アイデアスケッチをして提案を行いました。...
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今回の東日本大震災を受け、集まって住むことのあり方を見直すことが重要だと感じました。そして、高台移転にともない提案が予想される斜面地住宅について、その問題や可能性を明らかにしていく必要があると考えました。研究では、基礎的な分析から始め、東北地方のみならず、地形の起伏がある場所で、景観を維持し斜面地を有効利用した集合住宅設計提案に向けて、そのあり方や可能性を明らかにすることを目的としました。... (続きを読む)

 
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【編集を終えて】
都市、建築、インテリア、それぞれ私たちの生活に密接に関わる学問を学んでいる学生という立場で起った震災は、もしかしたら進む道に不安や疑問を覚えるような体験であったのかもしれません。ですが、東日本大震災を機に、今までより住みやすく、安全で、何より暮らしている人が幸せになれる街や家、空間にしたいという想いが伝わってくる研究からは、確実に未来への希望が感じられました。それぞれに、継続を示唆した内容で、研究発表からは多くの貴重なものを受け取ったように感じます。
CR推進課 竹内 真紀子