ユーザ事例 & スペシャルレポート

昨夏、「第1回 Vectorworks操作技能マスター認定試験」を実施いたしました。25名が受験し、合格者は、4名でした。
今回は、第1回マスター認定者である株式会社ストロベリーメディアアーツ 井手 和歌子 氏に試験での感想、Vectorworksの
使い方も合わせてインタビューさせていただきました。


- Vectorworksはいつ頃からご利用ですか?

1989年、オフコンの時代にCADに出会い、2003年からVectorworks9を使用。現在、Vectorworks2008Windows版を利用しています。日本放送協会(NHK)で舞台設備、スタジオ用のセットを作図しており、主に2次元での入力ですが、一部では、3次元でプレゼンテーションも行います。舞台設備の設計は、普段みなさんが目にされる建築や内装の図面とは異なり、大きな舞台装置を配置する特異な図面です。日常、設計業務が主ですが、仕事内容に即した使用ツールの選別や作業画面の作成、レイヤ、クラスなど使用する環境の調整など、利用環境の整備、また、初めてCADを使用する人への機能説明なども行っています。

- なぜ、マスター認定試験を受験しようと思ったのですか?

実力を確認してみたくてトライしました。マスター認定試験で合格できればスキルも証明できると思いましたし、会社へ自分の実力をアピールできる訳ですから。でも、受からないと思っていました。今は、合格してホッとしています。

- マスター認定試験を受験してどうでしたか?

甘く見てました(笑)。時間配分が重要ですね。予想以上に設問が多く、また、久々の試験で慣れていないのでとっても緊張しました。実技では作図するだけでなく、提出ファイル用として指定のファイル名を付けて保存することもオペレーションの一つ。最後まで気が抜けませんでした。また、順番に設問をこなしていくと、分からない問題が出てきた時、その時点で手が止まってしまう。得意な問題からこなして、時間がかかりそうな問題は後で。試験の心構えとして、捨てる勇気も必要ですね。

- どのようにVectorworksを習得されたのですか?また、苦労された点は?

今まで苦労は沢山あった筈なんですが(笑)。全て独学です。Vectorworksを触り始めた頃、唯一マニュアルだけが頼りでしたので苦労しました。その後、本を買ったり、イベントやセミナーに参加して、徐々に習得しました。マニュアルでさまざまな機能を探究した苦労は、機能を覚えるきっかけとなり、受験の際にも、とても役立ったと思っています。

- 特に利用しているVectorworksの機能は?

日々、刻々と変る現場に合わせて図面の修正が入り、速度が求められます。他のCADでは、修正できず、書き直しとなることが多いのですが、Vectorworksの場合、データパレットからの編集や、グループ、合成図形に入り簡単に図形が修正できることは、大変助かっています。また、作業画面の編集により、よく使う機能にショートカットの割当が自由にできるのは、とても便利です。でも、ショートカットを変更しすぎてしまった場合には、試験の回答にも影響しますので、注意が必要ですけど。(笑)

- 受験を考えている方に対して何かアドバイスがあれば教えてください。 -

マスター認定試験ページで提供している「想定問題」を何回も予習しました。実際の問題数とは大きく違い戸惑いましたが、とっても役に立ちました。次回受験される方は、第1回の問題と模範解答がダウンロードできるので、ぜひ、復習した方が良いと思います。また、普段、使用していない機能に関しても理解するためにできるだけ時間を作ることをお薦めします。例えば、私は、あまり3次元を利用しないのですが、3次元のツールやコマンドを使っていろいろ試すこと、また、壁を単純に描くだけではなく、壁の構成要素などを用いて作図するなど意識しました。壁の構成要素とハッチング機能は異なるけれど概念をしっかり覚えることで応用も可能となります。さまざまなVectorworksの機能を覚えることで、試験対策にもなりますし、実務でも活用できることも多いと実感しています。コツコツ、じっくりですかね。また、学生さんにとって、試験は得意のはず。Vectorworksを学校で学ばれてる学生のみなさんはVectorworksに触れる時間も多いのではないでしょうか。この試験は、実力を試す良いチャンスになるのではないかと思います。ぜひ、チャレンジして欲しいですね。

- 今後の抱負についてお聞かせください。 -

Vectorworks操作技能マスターに認定いただき嬉しく思っています。これからもVectorworksに携わり、プラグインコマンドなども研究して、もう一段階高いレベルで使いこなせるようになりたいです。もちろん、Vectorworks操作技能マスター認定者として沢山の手本となりVectorworksを教えてゆきたいと考えています。そして、もっと、もっと、Vectorworksを使いこなしたいと思っています。

【取材協力】

日本放送協会(NHK) http://www.nhk.or.jp/

株式会社ストロベリーメディアアーツ 井手 和歌子 氏

 

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