近未来の設計界を担う教育とは。Vectorworks教育シンポジウム2009開催。


 

デザイン教育におけるCAD導入が急速に進む中、デファクトの位置を占めるようになってきたVectorworksを利用する学校関係者、教育関係者が一同に会し、8月21日(金)に「Vectorworks教育シンポジウム2009」がホテルパシフィック東京で開催されました。

会場内の各セッション会場は、講演を是非参考にしようと真剣な目で受講される参加者が多くみられ、熱気に満ち溢れていました。
また、会場内には、A&A.Vectorworks教育支援プログラム- OASIS -加盟校による作品展も開かれ、写真を取る姿やじっくりと作品を見る参加者の姿が多く見られました。

 


 
     
  実務向けた能力を必要とする実社会
「建築界が教育機関にもとめるデザイン教育」日建設計 山梨知彦 氏
 
 

午前の基調講演には、「建築界が教育機関にもとめるデザイン教育」と題して、株式会社日建設計 設計部門で副代表を務める山梨 知彦氏が壇上に立ちました。

株式会社 日建設計
設計部 副代表 山梨 知彦 氏

実社会(設計界)が"求める人材"について、「寸法感覚を養うための指導として、例えばトイレブースの寸法は90cmだと教えることではなく、自分がいいなと思える寸法がこれくらいだと手で示せること。そして、それが90cmだと知っていることが大切な寸法感覚であると指導しています。」と社内での教育例を説明し、「最近の新人には1円玉の寸法を正確に言える人が少ない。寸法感覚がない人に最適な設計ができない。」と、いかに実務に沿った感覚育成が必要であるかを強調しました。

さらに、「例えば、専門の分化として旧来、意匠・構造・設備だけでよかった設計が、近年、ライティングデザイナーや環境デザイナー、ランドスケープデザイナーなど多くのデザイン要素が出てきています。それぞれのスペシャリストも必要ですが、何より如何にそれらを統合できるノウハウを持つか、そういった人材が必要とされています。」と、対応力、プロジェクトマネージメント力のある人材育成の必要性も訴えました。

 
   
講演中には、ヒートアイランドを低減させるために陶器ファサードに雨水を流す環境技術を用いた建築や、木材を建築構造物として使った建物、その中で日本大工の伝統技術の繋ぎ手とコンピュータ解析、工業用カッターマシン技術を融合させた事例など、多くの実務事例をまじえながら、「幅広い能力が必要とされる実務社会と、教育現場の行う人材育成に乖離するところはないでしょうか。」と、改めて広い目線と情報を整理する能力としてITリテラシーを備える人材の育成を訴えました。

講演の後半には、「以前は、あそこの学校・研究室の生徒がほしいとかありましたが、今ではそういうものがなくなってきています。今は、面白い学生がいると耳に入るとその学生と話しにいきます。」と、学校ではなく、個人で採っている時代にあり、もっと学校自体に個性がほしいと、教育側へのリクエストを上げ、講演は終了しました。
講演は非常に多くの話題を語りながらも、参加者ならずとも興味をそそられるものが多く、内容の濃い講演となりました。
 
     
最新技術による高度教育のブレイクダウン化
「ICTがつくる建築ものづくり技術とデザイン教育」豊橋技術科学大学 松島史朗 氏
 
 
豊橋技術科学大学
准教授 松島 史朗 氏
 

午後の基調講演として、海外の教育機関での経歴を持ち、現在、豊橋技術科学大学にて准教授を務める松島 史朗 氏が、「ICTがつなぐ建築ものづくり技術とデザイン教育」を語りました。

まず、学内に設置した" ものづくり工房 "への取り組みをご紹介いただき、「3Dカラープリンタ」や「レーザー加工マシン」などを導入し、建築模型や都市模型をはじめ、「手製作では到底作りえない有機的な形状や、構造物模型の製作/検討をする際に大きい成果を得られます。」と解説、「このような発想をカタチにできる機器があることによって、建築系の学生のみならず、工学系の学生など、様々なの学生に3次元を身近に感じながらその感覚を身につけることができます。」と、教育における先端技術の導入も必要と訴えました。

 
   

さらには、コンピュータ上でバーチャル粘土を用いたシミュレーションシステムもご紹介いただき、「ゲーム機のWiiのような触覚をもったデバイスを操作します。ITを使いながらも、直接的な体験ができるシステムです。」と参加者の皆さんの驚きを誘っていました。
これらの最新機器導入によるものの一例として、地元の高校生を集めたワークショップ開催など、簡単に思い描いたものが実際にカタチになることから「興味を持たせることで、学ぶことへもつながりやすいのでは。」と、解説いただきました。

また、自身の海外経歴(ハーバード大学デザイン大学院建築修士・博士(デザイン学)・講師/マサチューセッツ工科大学建築都市学部客員研究員)を踏まえ、海外でのデザイン教育の現場について細かくご紹介いただき、やはり複雑な技術やロジックを分かりやすく学べる環境づくりが優秀な人材を育てる一歩になるのではないでしょうかと参加者に提案をしました。

最新機器を用いた教育環境の整備よって、教育の場が広がり、同大学のキャンパスマスタープランへの活用や、近隣地域のまちづくりへも参加し、様々な経験を学生と共に行っているとの事例もご紹介いただきました。

様々な経験則からITリテラシーの必要性と、それらを使った教育についても「時代の変化に対して、専門技能を使って課題解決のできる高度な専門職技術者の輩出が必要です。」、さらに「社会との対話力、企画力、そして実行力が必要です。」と社会人としての基本的能力も必要であることを訴えました。
講演終了時には、3Dプリンタの具体的なモデル生成の方法や、日本と世界との学生の違いなど、参加者からの質問も相次ぎ、急遽質問時間を設けるほど好評な講演でした。

 
     
  分科会( 大学/キャリアアップ/工業高等専門学校/専門学校 )  
  基調講演後に開催された分科会「大学、キャリアアップ、工業高等専門学校、専門学校」では、4人の講師が実体験の成功例や失敗例、課題などをまじえながら講演が行われ、教育現場での問題共有や先進的な取り組み、試みが紹介されました。
多くの参加者の中には、メモをとる姿や多くの質問を講師に投げかける姿も見え、活発的な議論も見られました。
     
大学分科会   キャリアアップ分科会
 
教育の三種の神器(良いCAD、良い授業、良いテキスト)
岡山理科大学
非常勤講師 高原 健一郎 氏

  キャリアアップ校におけるVectorworks活用事例
スペースデザインカレッジ
非常勤講師 水谷 真裕 氏
     
工業高等専門学校分科会   専門学校分科会
 
工業高等専門学校におけるVectorworks活用事例
明石工業高等専門学校
准教授 工藤 和美 氏
  入門からデザインの道具としての活用まで
日本工学院専門学校・日本工学院八王子専門学校
カレッジ長 山野 大星 氏
 
     
  オープンキャンパス実践  
  分科会と同時に「実践オープンキャンパス」と、エーアンドエーによる「Vectorworks体験オープンキャンパス」が開催されました。
「実践、オープンキャンパス」では、新潟工科大学の飯野氏が実際に学内で行われているオープンキャンパスを全く同じ内容で実践。普段、教壇に立つ教育者もこの日ばかりは受講者側に座り、受講後には自校での同様なオープンキャンパス実現に向けて、多くの質問が飛び交う活発な研修の場となりました。
 
 
 
実践オープンキャンパス開催の模様
講師:新潟工科大学 飯野 秋成 氏
 
     
  OASIS加盟校パネル展示  
  基調講演会場では、A&A.Vectorworks教育支援プログラム- OASIS -加盟校による作品展が開かれ、各校、これまでの取り組みの成果として、多くの発表パネルが並び、休憩中の時間や講演開催前には多くの教育関係者が足を止め、歓談する姿が目につきました。  
   
     
  今後ともOASISをはじめ、様々な活動を通して、弊社の取り組みをご案内して参ります。  
     
  A&A.Vectorworks教育支援プログラム
OASIS(オアシス)についてのお問い合せは
こちらをご確認ください。
 
 

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